第1回 17種類に及ぶ高齢者住宅や施設の統合を


公的な入居相談窓口の開設が切望される

「物忘れが多くなった」「身体機能が低下した」「買い物ができなくなった」「通院がおぼつかない」「薬をしばしば飲み忘れる」。このように日常生活に何らかの不都合が出始め、「いつまで自宅に住み続けられるのか」と不安を感じ始めたとき、住まいの場を高齢者住宅に移す検討を始めます。“早めの移り住み”と呼ばれるものですが、75歳くらいの年齢で検討する方が多いようです。

単身生活者が要介護3になったときや、認知症が進行して自宅での生活が難しくなったとき、また、家族の介護はもう限界で、プロに介護を頼まなければならなくなったときには、介護施設や介護付き有料老人ホームなどへの入居を検討し始めます。だいたい85歳くらいの方が多いようです。

早めの移り住みも、要介護状態になってからの入居も、高齢者にとっては、高齢者住宅や介護施設の的確な情報を得て、自らの希望に合っているところを探し出すことは、かなり困難な作業です。

要介護度などの身体条件や、入居費用などの経済条件、ホームのサービスの内容や評判は良いかといった客観的な評価、特別養護老人ホームには待機者がたくさんいて、自分はいったいいつ入れるのかなどなど、それらの情報はどこに行けば得られるのかもわかりません。

行政の窓口やケアマネジャーに相談しようと思っても、行政から情報を得るには、福祉施設や有料老人ホームなどを扱う福祉部局と、高齢者専用賃貸住宅(高専賃)やシルバーハウジングなどを扱う住宅部局に窓口が分かれていて、それぞれに行かなければなりません。高齢者が最も知リたい、サービスの質や評価の良し悪しについては公的な立場もあって教えてもらうことはできません。また、ケアマネジャーの多くは、特養ホームや老人保健施設などの施設系サービスの情報はもっていても、民間が行う有料老人ホームや高専賃などの事業内容の情報はもち合わせていないケースが多いでしよう。

多くの高齢者は手探り状態で介護施設や、有料老人ホーム・高専賃などの居住系サービスを探すのですが、的確な情報を得ることは難しいのです。すべての情報が得られる、ワンストップ型の情報提供の場が現在ありません。入居相談に乗る、信頼できる公的な相談窓口の登場が切望されています。

 

高齢者住宅や施設の統合が始まる

今、日本には17種類の高齢者住宅や施設があります。 いずれも制度の違いによって区分されているので、入居要件も費用の負担額もまちまちです。とくに費用に開しては、生活保護者や低所得者向けに補足給付(家賃補助)がある特養ホームから、高額な有料老人ホーム(入居金はゼロ円から数億円)まであり、その幅には驚くばかりです。入居先として、どこを選んでよいかわからない最大の原因は、17種類にも分類される制度そのものにあるといってよいでしよう。

政府は、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者住まい法)を改正して、高専賃・高齢者円滑入居賃貸住宅・高齢者向け優良賃貸住宅の3つの賃貸住宅の類型を廃止し、新たに設ける「サービス付き高齢者向け住宅」に統合する予定です。一定の要件(バリアフリー化された25㎡以上の居室に水回り設備がある、生活相談員の常駐、安否確認の提供など)を満たしたこれらの賃貸住宅を登録させ、そこに利用権方式の有料老人ホームの登録も認めようという制度です。高齢者住宅や施設の統合に向けた第一歩が始まりました。

居住水準の向上と情報開示にもその効果は期待できますが、もっと統合を進めるためには、認知症グループホームやケアハウス、シルバーハウジング、特養ホームや老健施設も登録対象として、一体化がさらに進むような仕掛けが必要だと思っています。

的確な情報開示、公的な相談窓口の開設、17種類の統合は利用者の立場からも、強く要望していきたい点でもあります。

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