バリアフリー2023セミナーを2023年4月19日インテックス大阪で開催

テーマ「社会環境の変化で有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅はどう変わるか?」でお話ししました。

社会環境は、総人口減少にあっても高齢化はさらに進むが、2050年から横ばい、その後減少に転じるものの、高齢者住宅・施設の不足は続く。不足は主に東京大阪などの都市部に限定。地方部の供給過剰感は異常な状態。

お亡くなりになる場所は有料老人ホームやサ付きが中心となり、ホスピス系が増加する。悪質なホスピスが増加する。

要介護5の認定者数は10年間増えておらず、むしろ減少傾向。要介護認定の軽度化が進むといった異常な状態が続いている。

介護保険事業計画通りに高齢者介護保険施設は供給されていない。毎期5万戸不足が続き、近年では介護保険施設の計画整備量の計上は減っている。

これらを背景に、有料とサ付きはどのように変化するか、以下の内容について解説し、今後の方向性について独自の見解を説明しました。

  • 単身で要介護2の一部および要介護3以上、家族同居でも重度認知症高齢者は、従来の自宅での生活継続は困難となり、高齢者住宅・施設(包括ケア)が必要となる。
  • サ付き・住宅型の多くが訪問介護・通所介護を併設しているが、上記中重度になるとこれでは対応ができない。夜間訪問が必須サービスとなり、小規模多機能や定期巡回サービスの併設が必要だが、未整備状態。
  • 必要とされる高齢者住宅・施設(包括ケア)の供給量は240.9万戸(床)(要介護3以上認定者数)だが、現在の供給数は161万で、79.8万戸(人)が不足している。
  • この不足需要を住宅型31万人及びサ付き21万人計52万人分の供給があるが、単純計算でも差し引き27.8 万人分が不足している。
  • サ付きは、制度上自立や虚弱を対象とした入居者像とはかけ離れ、今日要介護度の高い高齢者が入居している。サ付きと住宅型の存在意義は、今や要介護者の受け皿とみなす必要がある。
  • サ付きの特定施設入居者生活介護の指定事業者となることを促進し、整備費補助は指定事業者に限定すべき。住宅型も同様特定施設となり介護付に転換を図るべき。
  • 低所得者や生保受給者が高齢者住宅に入居しやすい家賃補助制度の導入を検討すべき。