- 2026/01/22
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- ホスピスホームの実態!
- 田村明孝の辛口コラム
2000年介護保険「特定施設入所(居)者生活介護」が開始となり、介護付有料への参入事業者が急増、2006年「特定施設」「認知症対応型共同生活介護」の総量規制が始まると、保険者である自治体は、介護保険財源が費消される介護付「特定施設」の指定を意図的に過少化し、単なる届け出だけの住宅型が有料の主流に切り替わった。結果的にこれが誘因となり、そこから住宅型有料が急増し、住宅型を舞台とした一連の不祥事や不正事件が続発、次から次へと不正が跡を絶たない事態となっていく。
要介護者囲い込みによる貧困ビジネス・生保受給者を対象とした介護費・医療費の不正受給・別表7別表8の患者を対象とした訪問看護不正請求・事業計画を無視した医師の経営する大規模ホームの倒産・訪問看護医療費不正受給をビジネスモデル化したセミナーや悪質なコンサルタントの出現・有料に群がる入居者紹介事業者などなど、住宅型有料は悪知恵に長けた者たちの儲けの場となっていく。
この流れを断ち切りたい厚生労働省は、2025年「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供の在り方検討会」を主宰し、改善策を取りまとめた。これについては筆者辛口コラム第33回~厚労省「有料における望ましいサービスの在り方」検討会のとりまとめによる住宅型有料規制の効果は?~で示したとおりである。
行政の取り締まりそのものの執行力が弱く、取り締まっても別の抜け道を探す事業者とのいたちごっこ、これでは一向に埒が明かない。住宅型有料の抜本的解決の対策を講じる必要があると考えるのは万人の認めるところだろう。
筆者の考える住宅型有料の不正を防ぐ解決策「高齢者住宅施策」を以下に述べる。
1.自治体の作る介護保険事業計画の施設・居住系の見込み数値算出に当たっては、ニーズ調査を正しく行い適正な数値を掌握する。これによって必要量がはっきりする。介護保険料算出の基となる見込み量とは別表示とする。さらに自治体内で供給する施設・居住系の数量と、自治体外(住所地特例に該当)の施設・居住系を利用する数量を区分して明示する。
2.介護保険の総量規制を廃止し、特定施設・認知症グループホームは民間の競争原理が働くよう自由化する。将来的には特定施設と認知症グループホームを統合する。
3.高齢者を入居させ食事や健康管理サービスなど提供する賃貸住宅はすべて有料老人ホームとし、有料老人ホームの全てを特定施設とする。住宅型・健康型は廃止する。
4.サービス付き高齢者向け住宅の登録制度を廃止する。前項に該当するものは有料老人ホームとし、それ以外は単なる賃貸住宅。
5.特養のベッドを居室化し水回り設備を設置して施設から住宅に変えた上で特養と特定施設を統合し、入居者は認知症高齢者とする。居宅介護を充実させ身体介護のみの要介護者は在宅介護とする。
いかがだろうか。唐突すぎるとお思いかもしれないが、スウェーデンでは1992年のエーデル改革・デンマークでは1987年の高齢者住宅法の制定でこの様な改革を実施した。
この政策を実施しないと住宅型を舞台とした不法不正行為はなくならない。日本版高齢者住宅改革は待ったなしとなっている。厚労省にはさらに踏み込んだ議論を期待する。


1974年中銀マンシオンに入社、分譲型高齢者ケア付きマンション「ライフケア」を3か所800戸の開発担当を経て退社。
1987年「タムラ企画」(現タムラプランニング&オペレーティング)を設立し代表に就任。高齢者住宅開設コンサル500件以上。開設ホーム30棟超。高齢者住宅・介護保険居宅サービス・エリアデータをデータベース化し販売。「高齢者の豊かな生活空間開発に向けて」研究会主宰。アライアンス加盟企業と2030年の未来型高齢者住宅モデルプランを作成し発表。2021年には「自立支援委員会」発足。テレビ・ラジオ出演や書籍出版多数。
